【なぜ?】大手回転寿司のメニューから「あじ」が消えた理由をプロが解説

「最近、お気に入りの回転寿司チェーンに行っても、大好物の『あじ』がメニューにない…」

もしあなたがそう感じているなら、その感覚は間違いありません。
光り物の代表格として多くの人に愛されてきたあじですが、近年、多くの大手チェーン店でその姿を見かける機会がめっきりと減ってしまいました。

この記事では、長年寿司ネタの仕入れに携わってきたプロの視点から、あじが私たちの食卓から遠のいている理由を、漁業や市場が直面する背景まで踏み込んで詳しく解説します。

さらに、そんな厳しい状況下でも、本当に美味しい旬の絶品あじを提供し続けるお店の秘密にも迫ります。
なぜあじは消えたのか?そして、本物の味は今、どこで楽しめるのか?その全ての答えが、ここにあります。

この記事でわかること

  • 大手回転寿司で「あじ」を見かけなくなった本当の理由
  • 国産あじの記録的な不漁と価格高騰の背景
  • 厳しい状況でも美味しい旬のあじを提供できるお店のこだわり
  • 夏にこそ食べるべき、絶品あじの魅力と味わい方

最近、回転寿司で美味しい「あじ」を見かけなくないですか?その理由とは

ご家族やご友人と回転寿司の店舗へ足を運んだ際、「大好物のあじがメニューにない…」「以前と比べて見かけなくなった」と感じた経験はございませんか?
光り物の代表格であり、独特の風味と旨味で人気の「あじ」は、少し前までどこのお店でも気軽に食べられる定番の寿司ネタでした。

しかし、あなたのその感覚は間違いではありません。
実は今、多くの大手回転寿司チェーンで、あじの提供が中止されたり、期間限定メニュー扱いになったりするケースが増えているのです。

「一体なぜ、あじが食べられなくなったのだろう?」

「何か特別な理由でもあるのだろうか?」

ここでは、長年、寿司ネタの仕入れに携わってきたプロの視点から、皆様が抱えるその疑問にお答えしていきます。
回転寿司からあじが姿を消しつつある背景には、日本の漁業が直面する、ある深刻な事情が関係しています。

回転寿司のメニューからアジが消える?不漁のニュースと価格高騰の背景

「なぜ、あじが食べられなくなったのか」という疑問に単刀直入にお答えすると、その理由は「記録的な不漁」と、それに伴う「価格の高騰」にあります。
決して、あじの人気がなくなってメニューから外されたわけではありません。

むしろ逆で、食べたい人は多いのに、寿司として安定して提供できるほどの量を確保するのが難しくなっているのです。

記録的な不漁が続く日本のマアジ

私たち仕入れの現場でも、マアジの漁獲量が数年前から大きく落ち込んでいることを肌で感じています。
水産研究・教育機構の調査報告によると、特に日本の広い範囲に魚を供給する「太平洋系群」と呼ばれるマアジの資源量は、目標とすべき水準を下回っており、減少傾向にあるとされています。

2023年の国内漁獲量も約9.2万トンと、かつてと比べると低い水準に留まっています。
このようなニュースは、水産業界では深刻な問題として受け止められています。

不漁の背景にある海洋環境の変化

では、なぜこれほどの不漁が続いているのでしょうか。
大きな原因として専門家が指摘しているのが、地球温暖化に伴う「海水温の上昇」です。

あじが好む水温の海域が変化したり、エサとなるプランクトンが減少したりすることで、産卵や成長に適した環境が失われつつあります。
また、日本近海を流れる黒潮の蛇行といった海流の変化も、あじの回遊ルートに影響を与え、不漁の一因になっていると考えられています。

大手チェーンほど提供が難しい理由

このような状況で最も大きな影響を受けるのが、全国に多くの店舗を展開する大手回転寿司チェーンです。
チェーン店では、全店舗で同じ品質のネタを、手頃な価格で、大量に、そして安定的に供給し続ける必要があります。

しかし、漁獲量が不安定で、市場価格が高騰しているあじは、この条件を満たすのが非常に困難です。
無理にメニューに載せれば価格を大幅に上げるか、品質を下げるしかなく、結果としてメニューから外す、という判断に至るケースが増えているのです。

プロが語る「かねきのあじ」の魅力!旬の旨味と夏にぴったりの味わい

昨今の厳しい状況でも「あじ」の仕入れにこだわるのは、皆様に「本物の味」をお届けしたい、ただその一心からです。
良い素材を確保するのは仕入れの仕事ですが、その魅力を最大限に引き出すのは職人の仕事。

かねきの「あじ」には、その両方のこだわりが詰まっています。

夏が旬!今しか味わえない、脂の乗った極上の旨味

あじの旬は、産卵を控えて体に栄養を蓄える初夏から夏にかけて。
まさに今、2025年7月が最高のシーズンです。

この時期のあじは、身がふっくらと厚くなり、上品な脂が乗り切っています。
醤油を少しつけると、その脂がキラリと輝き、口に含めば、噛むほどに凝縮された旨味がじゅわっと溶け出します。

これは、旬の時期に獲れた新鮮なあじでしか体験できない、極上の味わいです。

職人の技が光る、かねきならではの一貫

あじは繊細な魚であり、その日の魚の状態を見極めて仕事を施す、職人の技術が味を大きく左右します。
私たちは、仕入れたあじの鮮度はもちろん、身の締まり具合や脂の乗り方に応じて、一尾一尾、丁寧な仕込みをしています。

この丁寧な仕事が、あじ特有の青魚のクセを旨味へと昇華させ、シャリとの一体感を生むのです。
薬味の生姜やネギとの相性も計算し尽くされた、かねきならではの一貫をご賞味ください。

香り立つ風味と、夏に嬉しいさっぱりとした後味

私たちが今月、自信を持ってお届けする「あじ」は、まさに「香り立つ風味と程よい脂の旨味が魅力の一貫」です。
しかし、ただ脂が乗っているだけではありません。

一口食べれば、あじ特有の爽やかな風味が鼻を抜け、後味は驚くほどさっぱり。
このキレの良さこそが、質の良いあじの証です。

蒸し暑い日本の夏に、涼を感じさせてくれるような清涼感のある味わいに仕上げました。

【2025年7月最新】回転寿司かねきのおすすめメニューと価格をご紹介

大変お待たせいたしました。
回転寿司かねきが今月、自信を持ってお届けする7月のおすすめメニューをご紹介します。

旬の旨味を存分に味わっていただけるよう、職人が心を込めてご用意した一皿です。
期間限定の特別な味を、ぜひご賞味ください。

かねき 2025年7月のおすすめメニュー

  • あじ
    香り立つ風味と程よい脂の旨味が魅力の一貫。夏にぴったりのさっぱりとした後味で、涼を感じる味わいです。
    価格:330円(税込)
  • 柳だこ
    やわらかさとほんのり甘みを活かした上品な握り。暑い季節でもするりと食べられる、涼やかな味わいをどうぞ。
    価格:418円(税込)
  • あおさ汁
    ふわりと広がる磯の香りとやさしい旨味がじんわりと染みわたる一杯。
    価格:330円(税込)

※当日の仕入れ状況により、品切れ、または内容が一部変更となる場合がございます。

「回転寿司のあじ」に関するよくあるご質問

Q1. なぜ最近、大手回転寿司チェーンではあじのメニューを見かけなくなったのですか?

A1. 主な理由は、日本近海でのマアジの「記録的な不漁」と、それに伴う「価格の高騰」です。海水温の上昇などの影響で漁獲量が減り、安定した量を安価で仕入れることが難しくなったため、多くの大手チェーンではレギュラーメニューとしての提供を見合わせるケースが増えています。

Q2. アジの不漁には、何か特別な原因があるのですか?

A2. はい、専門家は地球温暖化による「海水温の上昇」や「海流の変化」が大きく影響していると指摘しています。あじの産卵場所やエサとなるプランクトンの量が変わってしまうことで、資源量全体が減少傾向にあることが、不漁の背景にあると考えられています。

Q.3 アジのお寿司が一番美味しい「旬」の時期はいつですか?

A3. アジの旬は、産卵を控えて体に脂を蓄える初夏から夏(概ね5月〜8月頃)にかけてです。この時期のあじは身が厚く、上品な脂が乗っているため、一年で最も美味しいとされています。特に夏場は、脂の旨味とさっぱりとした後味のバランスが絶妙です。

Q4. アジは「光り物」ですが、味の特徴や、夏におすすめの理由を教えてください。

A4. アジは、旨味成分が豊富でしっかりとした風味が特徴ですが、質の良い旬のものは、後味が驚くほどさっぱりとしています。このキレの良さが、蒸し暑い夏にも清涼感を与えてくれるため、夏バテ気味の時でも美味しく召し上がれます。脂の旨味と爽やかな風味を両立している点が、夏におすすめの最大の理由です。

今こそ味わいたい、旬の「回転寿司のあじ」の魅力

近年、不漁の影響で大手回転寿司チェーンのメニューから姿を消しつつある「あじ」。
しかし、本来あじが最も美味しくなる旬は、上品な脂が乗る夏です。
豊かな風味と、夏に嬉しいさっぱりとした後味は、この時期だけの特別な味わい。

見かける機会が減ってしまった今だからこそ、もし回転寿司店で旬のあじを見かけた際には、その価値ある一皿をじっくりと味わってみてはいかがでしょうか。