お寿司屋さんのお茶「あがり」とは?その意味や歴史、種類を徹底解説!
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この記事POINT!
- 「あがり」は寿司屋の専門用語
- 元々は花柳界の言葉が由来
- お寿司屋さんのあがりは粉茶
- お寿司との相性や健康効果も
- プロの淹れ方も紹介
1. 「あがり」とは?お寿司屋さんで出されるお茶の秘密
お寿司屋さんで食事を済ませた後、「あがり」と書かれた湯呑みでお茶が出てきた経験はありませんか?
この「あがり」という言葉、実はお茶の種類を指すだけでなく、お寿司屋さんならではの文化を表す言葉でもあるのです。
ここでは、「あがり」の語源や意味、なぜお寿司屋さんで「あがり」と呼ぶのかを詳しく解説します。
1-1. 「あがり」の語源と意味(花柳界との関係も含む)
「あがり」は、もともと花柳界、つまり芸者さんの働く社会で使われていた言葉でした。
「上がり花(あがりばな)」の略で、その日の最後の客に出すお茶、あるいはその日の営業の終わりに、関係者一同でお茶を飲んで一区切りつける、という意味を持っていました。
お客さんの側からすると、「もうこれで(店での飲食は)終わり」という合図にもなります。
「あがり」は漢字で「上がり」と書き、「物事の終わり」や「最終」といった意味があります。
たとえば、「上がり框(あがりかまち)」は玄関の段差のところにある横木を指し、「双六(すごろく)の上がり」はゴールを意味するなど、日常でも使われる言葉です。
花柳界では、「お茶を引く」という言葉が「客がつかない」ことを意味する縁起の悪い言葉だったため、「お茶」という言葉を避けて「あがり」と呼ぶようになったと言われています。
1-2. なぜお寿司屋さんでお茶を「あがり」と呼ぶのか?
花柳界で使われていた「あがり」が、なぜお寿司屋さんで使われるようになったのでしょうか。
これには諸説ありますが、以下の2つが有力です。
- 衛生管理のため: お寿司屋さんの仕事は、新鮮な魚介類などの生ものを扱うため、衛生管理が非常に重要です。
「あがり」には「洗浄」や「清める」といった意味合いもあり、1日の終わりに熱いお茶を飲むこと、また熱いお茶で食器を殺菌することで、次の日の営業に備えるという意味が込められていたからと考えられます。 - 江戸時代の名残: 江戸時代、寿司は屋台で立ち食いするファーストフードでした。
そのため、食事の最後に出すお茶を「あがり」と呼ぶようになったという説もあります。
どちらの説が正しいかは定かではありませんが、いずれにしても「あがり」は、お寿司屋さんにとって、単なるお茶ではなく、仕事の区切りやお客様への心遣いを表す特別な言葉なのです。
お茶は淹れたてが一番美味しいとされていますが、最後に出す「あがり」は、必ずしも淹れたてとは限りません。
しかし、お寿司屋さんでは、お客様に温かいお茶を出すために、常に新しいお茶を用意しているところがほとんどです。
2. お寿司屋さんで出される「あがり」のお茶の種類
お寿司屋さんで「あがり」として出されるお茶には、いくつかの種類があります。
ここでは、代表的なお茶の種類と、それぞれのお茶がお寿司に合う理由を解説します。
2-1. 一般的な「あがり」:粉茶とは?
お寿司屋さんで「あがり」として最もよく出されるのが「粉茶(こなちゃ)」です。
粉茶とは、煎茶などの製造過程で出る粉状の部分を集めたもので、その名の通り、細かい粉のような形状をしています。
- 粉茶の特徴:
- 濃い緑色で、味は濃厚で、強い渋みと旨みが特徴です。
- 茶葉が細かいため、お湯を注ぐとすぐに成分が抽出され、短時間で濃いお茶を淹れることができます。
- 比較的安価であるため、飲食店で提供しやすいというメリットもあります。
2-2. 「あがり」に使われるその他の日本茶(煎茶、番茶など)と寿司との相性
粉茶以外にも、お寿司屋さんでは以下のような日本茶が「あがり」として出されることがあります。
- 煎茶: 最も一般的な日本茶で、さわやかな香りと適度な渋みが特徴です。お寿司の味を邪魔せず、口の中をさっぱりとさせてくれます。
- 番茶: 煎茶よりも収穫時期が遅い茶葉を使ったお茶で、香ばしい香りとさっぱりとした味が特徴です。脂の乗った魚介類(トロ、アナゴなど)の油分を洗い流し、口の中をさっぱりさせる効果があります。
- ほうじ茶: 茶葉を焙煎して作られるお茶で、独特の香ばしさと、渋みが少なくまろやかな味わいが特徴です。食後、口の中をさっぱりさせたい時に向いています。
- 玄米茶: 炒った玄米をブレンドしたお茶で独特の香ばしさがあり、さっぱりとした後味です。
2-3. なぜ粉茶が多いのか? – 寿司との相性、味、コスト
お寿司屋さんで粉茶が多く使われる理由は、以下の3つが挙げられます。
- 寿司との相性: 粉茶の濃厚な味わいと強い渋みは、お寿司の旨味を引き立て、口の中をさっぱりとさせる効果があります。特に、脂の乗ったネタとの相性が抜群です。
- 味の濃さ: 粉茶は短時間で濃いお茶を淹れられるため、次々とお客さんが来店するお寿司屋さんに向いています。
- コスト: 粉茶は、煎茶などの製造過程で出る粉状の部分を集めたものであるため、比較的安価に入手できます。
3. 「あがり」と普通のお茶の違いとは?
お寿司屋さんで出される「あがり」と、家庭で普段飲んでいるお茶には、どのような違いがあるのでしょうか。
ここでは、その違いを具体的に解説します。
3-1. 家庭で飲むお茶との違い
家庭で日常的に飲まれるお茶は、煎茶やほうじ茶、麦茶など、様々な種類があります。
これらの多くは、急須を使って茶葉から淹れるのが一般的です。一方、お寿司屋さんで出される「あがり」は、多くの場合、粉茶が使われます。
- 茶葉の形状:
- 家庭でよく飲まれる煎茶は、針状の茶葉をしています。
- 一方、粉茶はその名の通り粉状です。
- 味の違い:
- 一般的に家庭で飲まれるお茶は、そのお茶本来の繊細な香りや甘み、旨味、渋みのバランスを楽しみます。
- お寿司屋さんの「あがり」は、口の中をさっぱりさせること、魚の生臭さを消すこと、お寿司の味を引き立てることが重要視されます。
3-2. お寿司屋さんならではのこだわり
お寿司屋さんでは、「あがり」のお茶にも、以下のようなこだわりが見られます。
- 鮮度: お寿司屋さんでは、常に新しいお茶を用意し、鮮度を保つようにしています。
- 温度: 熱いお茶を提供することで、口の中をさっぱりさせるとともに、口内の雑菌を洗い流す効果も期待できます。
- 茶葉の選定: 寿司ネタとの相性を考慮して、茶葉を選んでいます。例えば、脂の多いネタには渋みの強い粉茶、白身魚にはあっさりとした煎茶など、使い分けているお店もあります。
- 湯呑み: 厚手の湯呑みを使用することで、お茶が冷めにくく、熱い状態を長く保てるように工夫されています。
お寿司屋さんにとって「あがり」は、料理の味を引き立て、お客様に満足していただくための、重要な要素の一つなのです。
4. 「あがり」に関するQ&A
お寿司屋さんの「あがり」について、よくある質問とその答えをまとめました。
4-1. なぜ「あがり」は熱いお茶なの?
熱いお茶には、以下のようないくつかの理由と効果があります。
- 口の中をさっぱりさせる: 熱いお茶は、口の中の脂分や生臭さを洗い流し、さっぱりとさせる効果があります。
- 殺菌効果: 熱いお茶には殺菌効果があり、食中毒の予防にもつながります。
- 消化促進: 温かい飲み物は、消化を助ける効果があると言われています。
- 味を引き立てる:熱いお茶を飲むことで口の中が温められ、次の一貫(にぎり寿司を数える単位)がより美味しく感じられます。
4-2. 「あがり」は無料?有料?
ほとんどのお寿司屋さんでは、「あがり」は無料で提供されます。
基本的には、お寿司のコース料金に含まれていたり、サービスの一環として提供されています。
ただし、高級店や一部のお店では、こだわりのお茶を有料で提供している場合もありますので、気になる方はお店の方に確認してみましょう。
4-3. 「あがり」のお茶の種類は選べる?
基本的には、お店で用意されているお茶が出されますが、お店によっては、粉茶、煎茶、ほうじ茶、玄米茶など数種類のお茶を用意しており、好みに合わせて選べるところもあります。
また、最近ではあがりとして玉露や抹茶を提供するお店もあるようです。
もし、お茶の種類を選びたい場合や、アレルギーなどで飲めないお茶がある場合は、お店の方に遠慮なく尋ねてみましょう。
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5. お寿司に合うお茶「あがり」を自宅で楽しむには
お寿司屋さんでいただく「あがり」の味を、ご自宅でも楽しみたいと思いませんか?
ここでは、自宅で美味しい「あがり」を楽しむための、お茶の選び方、淹れ方、茶器の選び方をご紹介します。
5-1. おすすめの粉茶の選び方
「あがり」として一般的な粉茶は、スーパーやデパート、お茶専門店、インターネット通販などで手軽に購入できます。
選ぶ際のポイントは以下の3つです。
- 色: 鮮やかな緑色のものを選びましょう。色がくすんでいるものは、鮮度が落ちている可能性があります。
- 香り: お茶特有のさわやかな香りがするものを選びましょう。香りが弱いものは、風味が落ちている可能性があります。
- 産地: 静岡県産、宇治産、八女産など、有名な産地のものを選ぶと、品質が良いことが多いです。
5-2. 美味しい「あがり」の淹れ方 – プロのコツ
粉茶は、お湯の温度や抽出時間によって味が大きく変わります。
美味しく淹れるためのコツは以下の通りです。
- お湯の温度: 70℃~80℃の少し冷ましたお湯を使います。熱湯を使うと、渋みや苦味が強く出すぎてしまいます。
- 茶葉の量: 湯呑み1杯(約150ml)に対して、ティースプーン1杯(約2g)が目安です。
- 抽出時間: 20秒~30秒程度が目安です。長く置きすぎると、渋みや苦味が強く出てしまいます。
プロのコツ:
茶こしを使って粉茶を湯呑みに直接入れると、お茶の成分を余すことなく抽出できます。
5-3. 「あがり」に合う茶器の選び方
「あがり」をより美味しくいただくためには、茶器選びも大切です。
- 湯呑み: 厚手で、口が広いものがおすすめです。厚手の湯呑みは、お茶が冷めにくく、熱い状態を長く保てます。口が広いものは、お茶の香りをより楽しむことができます。
- 急須: 粉茶は細かいので、目の細かい茶こしが付いている急須を選びましょう。
6. お寿司屋さんで「あがり」を頼む際のマナーと言葉遣い
お寿司屋さんで「あがり」を頼む際、知っておきたいマナーと言葉遣いがあります。
6-1. 「あがり」を注文する適切なタイミング
「あがり」は、食事の最後、またはお寿司を食べ終わった後に頼むのが一般的です。
「あがりください」や「お茶をください」と伝えれば問題ありません。
6-2. 「あがり」のおかわりはしても良い?
お寿司屋さんでは、「あがり」のおかわりは基本的に自由です。
「すみません、あがりをお願いします」や、シンプルに「お茶のおかわりをお願いします」などと、遠慮なくお店の方に声をかけましょう。
6-3. 知っておきたいお寿司屋さんの専門用語(「むらさき」、「なみだ」など)
お寿司屋さんでは、独特の言葉が使われることがあります。代表的なものをいくつかご紹介します。
- むらさき: 醤油のこと。醤油の色が紫色に見えることから。
- なみだ: わさびのこと。わさびを効かせすぎると涙が出ることから。
- ガリ: 生姜の甘酢漬けのこと。噛んだ時の「ガリガリ」という音から。
- シャリ: 酢飯のこと。仏教用語で、お釈迦様の骨を指す「舎利(しゃり)」から。
- あがり: お茶のこと。
- おてしょう: 醤油などを入れる小皿のこと。「手塩皿」が変化した言葉。
- ヤマ: 品切れのこと。「山」には「頂上」「終わり」の意味があり、寿司ネタが無くなったことを表す。
これらの言葉を知っておくと、お寿司屋さんでの食事がより楽しくなるでしょう。
7. 「あがり」の歴史と文化
お寿司屋さんで「あがり」が出されるようになった背景には、日本の食文化と深い関わりがあります。
7-1. 江戸時代におけるお茶とお寿司の関係
江戸時代、寿司は屋台で立ち食いするファーストフードとして人気を博していました。
この頃、屋台では食事の最後に口の中をさっぱりさせるため、手軽に飲めるお茶を出す習慣が生まれました。
お茶には殺菌効果があることも知られており、生ものを扱う寿司屋では衛生的な意味でも重宝されました。
これが「あがり」の原型と言われています。
7-2. 現代における「あがり」の役割
現代でも、「あがり」は、お寿司の味を引き立て、食後の口の中をさっぱりとさせる役割を担っています。
また、温かいお茶を飲むことで、ほっと一息つける、リラックス効果も期待できます。
お寿司屋さんでの食事の締めくくりとして、「あがり」は欠かせない存在と言えるでしょう。
8. こだわりの「あがり」を味わえるお寿司屋さん
お寿司屋さんによって、「あがり」へのこだわりは様々です。
ここでは、美味しい「あがり」が楽しめる、おすすめのお寿司屋さんをいくつかご紹介します。
8-1. 関東のおすすめ店
- 銀座 久兵衛(東京都中央区銀座): 言わずと知れた名店。上質な粉茶を使用し、お寿司との相性を追求した「あがり」を提供しています。
- すし 喜邑(東京都世田谷区): こちらは熟成鮨で有名なお店ですが、あがりにもこだわりが。静岡県産の粉茶を使用し、まろやかな味わいが楽しめます。
8-2. 関西のおすすめ店
- 鮨 千陽(大阪府大阪市中央区): ミシュランガイドにも掲載された名店。厳選された茶葉を使用した「あがり」は、お寿司の余韻をさらに引き立てます。
- 祇園 末友(京都府京都市): こちらのお店では、宇治の粉茶を使用。
(お店の情報は、変更されている可能性があるので、予約の前に確認するようにしましょう。)
9. お寿司屋さんの専門用語 – 知っておくと便利!
お寿司屋さんには、「あがり」以外にも独特の専門用語がたくさんあります。
ここでは代表的なものを解説していきますので、お店で使ってみましょう。
9-1. 覚えておきたい!お寿司屋さんの専門用語集
以下に代表的な専門用語とその意味を表にまとめました。
用語 | 意味 | 由来 |
むらさき | 醤油 | 醤油の色が紫色に見えることから |
なみだ | わさび | わさびを効かせすぎると涙が出ることから |
ガリ | 生姜の甘酢漬け | 噛んだ時の「ガリガリ」という音から |
シャリ | 酢飯 | 仏教用語で、お釈迦様の骨を指す「舎利(しゃり)」から |
あがり | お茶 | 花柳界で「上がり花」の略として使われていた |
おてしょう | 醤油などを入れる小皿 | 「手塩皿」が変化した言葉 |
ヤマ | 品切れ | 「山」には「頂上」「終わり」の意味があり、寿司ネタが無くなったことを表す |
ギョク | 玉子焼き | 「玉」を音読みして「ギョク」 |
ヅケ | マグロの赤身などを醤油につけこんだもの | 醤油に「漬ける」から |
アニキ | 古く先に仕入れた方のネタ | |
オトウト | 新しく後から仕入れた方のネタ |
10. 「あがり」の健康効果と最新トレンド
お寿司屋さんで最後に出される「あがり」は、美味しいだけでなく、健康にも良い効果が期待できます。
ここでは、あがり(緑茶)の健康効果と、最新のお茶事情についてご紹介します。
10-1. 緑茶の健康効果(カテキン、テアニンなど)
緑茶には、カテキン、テアニン、ビタミンC、ミネラルなど、様々な栄養素が含まれています。
これらの成分には、以下のような健康効果があると言われています。
- カテキン:
- 抗酸化作用:活性酸素を除去し、細胞の老化を抑制する
- 脂肪燃焼効果:脂肪の吸収を抑え、燃焼を促進する
- 抗菌・抗ウイルス作用:風邪やインフルエンザの予防に
- 血圧上昇抑制作用:血圧の上昇を抑える
- 血糖値上昇抑制作用:食後の血糖値の上昇を緩やかにする
- コレステロール低下作用:悪玉コレステロールを減らす
- テアニン:
- リラックス効果:脳のα波を増加させ、リラックス効果をもたらす
- 睡眠の質向上効果:睡眠の質を高める
- 集中力向上効果:集中力や記憶力を高める
- ビタミンC:
- 美肌効果:シミやそばかすの原因となるメラニンの生成を抑える
- 免疫力向上効果:風邪などの感染症を予防する
10-2. 食後にお茶を飲むメリット
食後にお茶を飲むことは、口の中をさっぱりさせるだけでなく、以下のようなメリットがあります。
- 消化促進: 温かいお茶は、胃腸の働きを活発にし、消化を助けます。
- 虫歯予防: 緑茶に含まれるフッ素には、歯のエナメル質を強化し、虫歯を予防する効果があります。
- 口臭予防: 緑茶に含まれるカテキンには、口臭の原因となる細菌の繁殖を抑える効果があります。
10-3. 最新のお茶事情と「あがり」のトレンド(新しい種類のお茶、「あがり」に合うスイーツなど)
最近では、様々なお茶が登場しており、「あがり」の選択肢も広がっています。
- 新しい種類のお茶:
- 水出し緑茶: 低温でじっくりと抽出することで、渋みが少なく、まろやかな味わいが楽しめます。暑い季節や、お茶の渋みが苦手な方にもおすすめです。
- フレーバーティー: 緑茶にフルーツやハーブなどの香りを加えたもので、女性を中心に人気があります。リラックス効果も期待できます。
- 「あがり」に合うスイーツ:
定番の和菓子はもちろん、洋菓子やドライフルーツなど、様々なお菓子との組み合わせが楽しまれています。- 和菓子: 定番の組み合わせですが、抹茶を使った和菓子や、季節のフルーツを使った和菓子など、様々な種類があります。
- 洋菓子: チーズケーキやチョコレートケーキなど、濃厚な味わいの洋菓子とも相性が良いです。緑茶の渋みが、洋菓子の甘さを引き立ててくれます。
- ドライフルーツ: 緑茶の渋みとドライフルーツの甘みが絶妙にマッチします。
お寿司屋さんでも、これら新しい種類のお茶や、「あがり」に合うスイーツを提供するお店が増えてきています。
ぜひ、色々なお店を巡って、自分好みの「あがり」を見つけてみてください。
11. あがりのまとめ
お寿司屋さんで最後に出される「あがり」は、単なるお茶ではなく、日本の食文化と深く結びついた習慣です。
もともとは花柳界で「上がり花」と呼ばれ、その日の最後の客に出すお茶、仕事の終わりを意味していました。
お寿司屋さんで使われるようになったのは、
- 衛生管理の徹底
- 江戸時代の屋台文化
などが要因として考えられます。
一般的な「あがり」は粉茶ですが、煎茶や番茶なども用いられます。お寿司との相性を考え、茶葉が選ばれています。
自宅で楽しむ際は、鮮やかな緑色で、さわやかな香りのものを選び、70℃~80℃の少し冷ましたお湯で20秒~30秒程度抽出するのが、美味しく淹れるコツです。
お寿司屋さんでは、「むらさき」(醤油)や「なみだ」(わさび)など、独特の言葉があります。
近年では、水出し緑茶やフレーバーティーなど、新しい種類のお茶も登場しており、「あがり」の選択肢も増えてきました。
また、和菓子だけでなく、洋菓子やドライフルーツなど、「あがり」に合うスイーツも注目されています。
「あがり」(緑茶)には、カテキンやテアニンなど、健康に良い成分が含まれており、食後の消化促進、虫歯・口臭予防などの効果も期待できます。
ぜひ、お寿司屋さんでも、ご自宅でも、「あがり」を味わい、その奥深い世界を楽しんでみてください。
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